はじめに
きわめてデリケートな赤ちゃんの肌。冬の乾燥からくる保湿ケアを気にする方は多いかもしれませんが、実は、夏こそスキンケア、それも保湿ケアが重要なのです。
1.夏に気を付けたい肌トラブル
夏によくきかれるのは、あせもの悩みです。悪化すると皮膚炎やかきむしることでとびひになり、皮膚科のお世話になることもあるので、できるだけ予防したいものです。
あせも以外でも、お出かけの際に、日焼け止めや虫刺され予防剤をぬったり、プールや海水浴デビューをしたりすると、プールの塩素や塩水が原因で肌荒れが起きる場合があります。
こうやって考えると、夏は冬より気を付けたいポイントが多い季節です。
2.まずは肌を清潔に
赤ちゃんはとても汗っかきです。赤ちゃんは大人のように自律神経が発達していないので、熱がこもりやすく、加えて基礎代謝が大人の2~3倍と活発なので、汗をよくかきます。ですから寝汗がすごくてシーツがぐっしょり濡れている、なんてお話をよくききますね。汗っかきの赤ちゃんですが汗をかいたらそのままにせず、シャワーで軽く流したり、こまめに濡れタオルで拭いたりするなど肌を清潔にし、また次に汗をしっかりかけるようにしてあげるのがポイントです。汗が肌に残っていると、あせもをはじめ肌トラブルの原因となります。
また、日焼け止めや虫刺され予防剤を塗った日のお風呂では洗浄料をつかって、きれいに洗い流すようにしましょう。
3.夏だからこそ保湿
汗を沢山かいて肌がぬれていると、肌は潤っているように感じるかもしれませんが、汗が蒸発する際に肌の水分も奪われて乾燥が進みます。汗を拭く、シャワーを浴びるなどの際には、肌のバリア機能も一緒に拭き取ったり、洗い流されたりしまうので、夏こそ、こまめに保湿ケアをしてあげることが大切なのです。機能的には肌にうるおい成分を与えて乾燥を和らげる要素とバリア機能が弱まった肌をバリアコートしてくれる要素がある保湿剤だと安心ですね。
夏場はさっぱりした使い心地のローションタイプが人気かもしれません。ただし、乾燥が気になる際はクリームタイプを上からぬる、あるいはベタつかず伸びがよいクリームタイプを使うのもおすすめです。
おわりに
大人の感覚で、暑い夏は肌もさっぱりしておきたいと感じる場合もあるかもしれません。赤ちゃんの肌はきわめて薄くバリア機能も弱いので、大人が感じるより乾燥しやすく、傷つきやすいのが特徴です。
こまめな洗浄と保湿ケアで肌トラブルを予防しましょう。
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監修
- 工藤紀子
- 小児科医・医学博士。保育士。2児の母。
長男をアメリカで出産。海外での育児経験をもとに「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族や子どもたちに向けてアドバイスを行なっている。