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【管理栄養士】赤ちゃんが離乳食を食べない 月齢別の対策~食べる姿勢にコツがあった~

コラム

【管理栄養士】赤ちゃんが離乳食を食べない 月齢別の対策~食べる姿勢にコツがあった~

赤ちゃんが「離乳食を食べてくれない…」という悩みを抱えるママやパパは多いはず。
はじめての離乳食、美味しくないのかな?嫌いなのかな?と不安になることもあるかと思います。

赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、発達段階ごとに異なります。
今回は、離乳食を食べない、決まったモノしか食べない、遊び食べをしてしまうなど、月齢別やシーン別の離乳食のお悩みについて、食の専門家【管理栄養士】の川島美由紀さんに教えていただきました。

離乳食とは

離乳とは、母乳や育児用ミルクなどの乳汁栄養だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食へ移行する過程の期間をいい、その時期の食事を「離乳食」と言います。

離乳食を始めるタイミングは、

  • ・首が座っている
  • ・手で支えてひとりで座れる(5秒以上)
  • ・両親が食べているものに興味がでてきた
  • ・授乳間隔が3~4時間程度になってきた

などのような状態になってきたら離乳食を始める目安になります。
5~6か月になっても首が座っていないようであれば、一度かかりつけの小児科医に相談しましょう。授乳間隔がなかなかあけられない時は、保健師に相談してみましょう。

各期で共通して食べない原因と対策

離乳食初期、中期、後期、完了期の各期において共通して食べない原因の多くは、骨格の成長により口の容積の大きさや舌の動かし方に影響します。
そのため、発達状況により固さ・大きさがあっていないと食べない原因の1つになります。
以下の表を参考に固さ・大きさを確認してみましょう。各期で共通して食べない原因と対策:表「月齢別食材の固さや大きさの目安」

また、今まで人肌くらいの温度の母乳やミルクを飲んでいたため、離乳食の温度が冷たくて食べないこともあります。離乳食も人肌くらいの温度で与えてみるのも良いでしょう。

初期は食べてくれないもの!?

離乳食初期は、母乳・ミルクから離乳食へと移行する時期です。赤ちゃんは吸えないものが口に入ってきたときに反射的に口の外に「べぇー」と吐き出してしまうことは自然なことです。
まだ慣れていないので、舌ざわりが嫌で食べてくれないこともよくあります。

初期の離乳食の形状は、ポタージュ状からジャムくらいの固さ、マッシュ状へと1週間おきに徐々に形状を変えて与えていくと良いでしょう。

赤ちゃんも初めてのものを口に入れられるときは、不安な気持ちだと思います。
離乳食を与えるときの心構えとして、笑顔でゆったりした気持ちで「あ~ん。美味しいね。」と声をかけながら与えてみましょう。

中期・後期・完了期で食べない時の原因と対策

離乳食中期以降になるとその子の発育・発達状況により原因はさまざま。
よくある原因について対策をまとめました。

1. 食べる姿勢の問題(椅子、座り方の問題)

食事の時の姿勢はとても重要です。
足裏が床などに接している状態になっていますでしょうか。
足裏が床などに設置していることで体幹が安定し、咀嚼や飲み込みしやすくなります。
また、ベビーチェアのリクライニングを倒し後退した姿勢では、うまく呑み込めず嫌がってしまう赤ちゃんもいます。

図1のイラストのように少し前傾の姿勢は、咀嚼や飲み込みやすくなります。椅子の背もたれと背中が空きすぎている場合は、タオルやクッションなどを使って前傾姿勢を保てるようにされると良いと思います。
足裏が床などに設置していない場合は、本や台などを入れて高さを調節してみましょう。

※図1

中期・後期・完了期で食べない時の原因と対策:イラスト図「離乳食期 食べる姿勢のポイント」

2. 固さ・大きさの問題

初期、中期とうまく進んでいたのに、後期になってからなかなか進まない、おえっとえずいてしまうなどで悩まれる方が多いです。もしかしたら早く進め過ぎたのかもしれません。
または、大きさ・固さなどを先に進めてみても良いかもしれません。
どのくらいの大きさ・固さが赤ちゃんにとってベストなのかを確認するためにベビーフードで確認することも一つの方法です。

例えば、ご自身の子が10か月だとしたら、8か月のものを試して上手に食べられているようであれば大きさ・固さを戻して与える、12か月のものを食べさせてもぐもぐごっくんが上手に出来ているのであればもう少し早く進めても良いでしょう。

3. お腹が空いていないのでは?

後期、完了期ごろになると1回に離乳食の量を食べられるようになってきます。離乳食と離乳食の間に授乳やおやつを与えすぎていないでしょうか。
頻繁に授乳やおやつを与えているとお腹も空かないので食べてくれません。
幼児期に向けて、朝は早く起こし、日中は公園などで日光を浴び活動的に過ごし、朝、昼、夕と1日3食+捕食(おやつは、さつまいもやヨーグルトなど)というように規則正しい生活が送れるように徐々に調整していきましょう。

4. 集中できてないのでは?

食事時間中に遊び食べをしてしまうのは、目にとまるところにおもちゃを置いていたり、TV・動画などを流していませんか。
そのような状況ですとなかなか集中して食べてくれません。

食事前は、一旦おもちゃなどを片付け、「ごはんの時間だよ」と椅子に座らせ手や口をふき、食事の時間を意識させメリハリをつけるようにしましょう。

中期・後期・完了期で食べない時の原因と対策:自分で離乳食を食べている赤ちゃん

まとめ

離乳食を食べない原因は、赤ちゃんの発達状況によりさまざまです。
離乳食を食べないと栄養の偏りについて心配かもしれませんが、母子手帳に載っている発育曲線の身長と体重をチェックして、成長曲線に沿って体重が増えていれば焦らず赤ちゃんの成長に合わせて進めていきましょう。
体重が成長曲線に沿って増えていない時や固さ・大きさ等について心配なときは、かかりつけの小児科医や行政の保健師・管理栄養士へ相談をしましょう。


筆者紹介

川島美由紀<span><ul><li>・管理栄養士</li><li>・日本栄養士会公認 食物アレルギー分野管理栄養士</li><li>・中医薬膳師</li></ul></span>
川島美由紀
  • ・管理栄養士
  • ・日本栄養士会公認 食物アレルギー分野管理栄養士
  • ・中医薬膳師
保育園向け給食支援サービスを提供する会社にて食育コンテンツ開発に携わりながら、保健センターでの乳児健診、1歳半・3歳児健診時の栄養相談、離乳食指導、食品メーカー様向けレシピ開発、コラム執筆などで活躍中。

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