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【管理栄養士コラム】1~2歳頃 好き嫌いの原因を知れば対策が分かる

コラム

【管理栄養士】1~2歳頃 子どもの好き嫌いの原因を知れば対策が分かる_01

1歳を過ぎた頃から「うちの子、なかなか食べてくれない…」「食べる量が少ない…」「偏っている…栄養が足りないのでは…」など子どもの好き嫌いに悩み、心配されているママパパも多いと思います。
今回は、子どもの好き嫌いについて、原因と対策について食の専門家【管理栄養士】の川島美由紀さんに教えていただきました。

好き嫌いってどういうもの?

1歳を過ぎると、子どもは自我が芽生え、好き嫌いが出てくるのは成長の証でもあります。食べないからといって嫌いとは限りません。次のような本能的・生理的な特徴とも関係しています。

幼児期前半(1~2歳)
  • 食べ物を噛んだり、口の中でまとめたり、飲み込んだりすることが難しく、口がしっかり使えるようになるまで、食べにくいものは苦手と感じてしまいます。
  • 生まれながらに、赤ちゃんは甘味、うま味、塩味を好んで食べます。甘味はエネルギーを、うま味はたんぱく質を、塩味はナトリウムを意味し、どれも生きていくために大切な栄養素だからです。反対に、苦味や酸味は毒物や腐敗物に多く含まれているため、赤ちゃんは本能的に避けるように感じます。
幼児期後半(3歳以上)
  • 脳の発達による好奇心・知識・競争・心理的な問題による影響
  • 食べる場所、時間、天候などの環境による影響
  • 気持ちの波や感情の変化、心の状態による影響
  • 健康状態や疲労感などの生理的状況による影響

など 

幼児期は、口にいれたものが好ましい食品かそうでないかを学習する時期です。初めて食べたときに苦手と感じても何度か食べて脳が学習するうちに美味しく感じるようになることもあります。
3歳を過ぎてくると、環境要因も大きく関係してきます。例えば、ママやパパ、兄弟、友達など一緒に食べている人に好き嫌いがあり食卓に出されたときに「〇〇きらいなんだよねぇ~」や「〇〇美味しくない」などと言うと、マネをして同じく「嫌い」「食べない」となる子もいます。大人が「嫌いなもの」と決めつけると子どもがそう思い込むこともあります。「食べない」と決めつけず、いろいろ工夫しながら気長に食べるようになるのを待ちましょう。

【管理栄養士】1~2歳頃 子どもの好き嫌いの原因を知れば対策が分かる_02

「野菜」を食べない子の対策

1歳半から3歳のお子さんの相談で一番多いのが「葉物野菜を食べない」です。口腔機能が未発達のため、噛み切れず葉物野菜を苦手な子は多いです。葉物類は、細かく刻んで納豆などと混ぜてあげると食べやすいです。
根菜類が苦手なお子さんは、固さ・大きさを確認してみましょう。大人からの取り分けをした場合、野菜炒めなどの野菜はまだ固いかもしれません。煮物や汁物などのよく煮た野菜などは食べてくれることがあります。
かぼちゃやさつまいもが苦手なお子さんは、口の中でモサモサした食感が嫌な時期かもしれません。かぼちゃやさつまいもをいつも煮物などの甘い味付けで調理している場合は、味付けが苦手な場合もあります。トマトケチャップ味、カレー味など味付けを変えるだけで食べてくれることもあります。
野菜は、特に切り方を変えるだけで、食感が変わり食べやすくなることもあります。いろいろな切り方、調理法、味付けをしてみましょう。

「肉」「魚」などを食べない子の対策

個人差はありますが、3歳頃までに歯が生えそろいます。歯が生えそろったとしても咀嚼力が弱い子も多いです。固さが合っていない可能性やパサパサしていて飲み込みづらいのかもしれません。しょうゆの餡をかける、ホワイトソースをかけるなど、とろみをつけると食べやすくなります。魚は、バターやしょうゆなどで下味をつけて臭みを消すと食べやすくなります。
保育園に行かれている場合は、保育園給食の見本を見て、大きさや切り方、調理法を参考にされてもいいですね。

同じものばかり食べたがる子の対策

パンしか食べない、麺しか食べないなど子どもの好みは、環境や気分でころころ変わります。嫌いなものは食べず、好きなものばかり要求するようになるのも自我が発達した証です。だからと言って、子どもの好きなものばかり与えず、単調な食生活にならないように食への関心を広げてあげることが解決につながることもあります。食に興味をもつきっかけづくりとして「料理を手伝ってもらう」「一緒に買い物にいき、自分で選んでもらう」「野菜を育て収穫をする」などがおすすめです。料理のお手伝いでは、ポリ袋の中に食材と調味料を入れ、味付けをしてもらうなど簡単なものが良いでしょう。
しかし、好き嫌いがはっきりしていて、その程度が激しく非常に限られた食品しか食べない状況が続く時は、発育や健康に必要な栄養素が不足しやすくなります。管理栄養士や医師・保健師等の専門家に相談をしましょう。

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保育園では食べるのに、家では食べない子の対策

保育園では食べてくるのに、家では全く食べないということをよく相談されることがあります。原因として、保育園から帰宅後、夕食前にお菓子など与えていませんか?休日は、お菓子や甘い飲み物を食べさせ続けていませんか?
 お腹が空いた時こそ、好き嫌い克服のチャンスです。夕食前に、お菓子などでお腹を落ち着かせてしまうと夕食時は自分の好きなものにしか手を出さないものです。苦手な野菜などを茹でてストックしたり、週末に冷凍おにぎりをストックしておき、保育園帰宅後の一番お腹が空いている時にまずは与えてみると美味しいと感じてくれる時がくるかもしれません。おにぎりを先に与えた日の夕食は、その分ごはんはお茶碗に少なめに盛るようにしましょう。

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まとめ

味や食感になじみがない初めての食材には慣れるまでは時間がかかることもあります。食べないからといって、食卓に出さないということは避け、ひと口だけでも食べたらしっかりと褒めてあげましょう。孤食にせず、1歳過ぎたらなるべく大人からの取り分けメニューで同じものを家族みんなで食べ、大人が「おいしいね」と食べる姿勢をみせることで、何でも食べられる子に育っていくことでしょう。


筆者紹介

川島美由紀<span><ul><li>・管理栄養士</li><li>・日本栄養士会公認 食物アレルギー分野管理栄養士</li><li>・中医薬膳師</li></ul></span>
川島美由紀
  • ・管理栄養士
  • ・日本栄養士会公認 食物アレルギー分野管理栄養士
  • ・中医薬膳師
自身の産後を期に、ママだけが一人で頑張る世の中を変えたいという想いから、子育て両立支援事業会社にて、食育プログラムの企画開発・運営に携わる。現在は、保健センターでの乳児健診、1歳半・3歳児健診時の栄養相談、離乳食指導に携わりながら、食品メーカー様向けレシピ開発、コラム執筆などで活躍中。

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