
子どもの成長と発達に欠かせない栄養素が含まれている魚。積極的に食べさせたいと考える一方、「パサパサしていて子どもが食べない」「骨取りや調理が手間」と敬遠されがち。今回は管理栄養士の佐藤翔子先生に「子どもの脳を育む魚の栄養とパクパク食べる工夫」について教えていただきました。

- 佐藤 翔子先生管理栄養士/フードスペシャリスト
- 思春期に食で悩んだ経験から「食で悩む人を助けたい」と思い管理栄養士になる。病院や保育園での12年間の経験や自身の子育て経験を活かし、現在は食で悩むママを減らすことを目指し活動中。「食べる楽しさや大切さ」を親子で感じてもらえるよう、Instagramを中心に発信する傍ら、コラム執筆や産後ケア事業で栄養相談も行う。
親が抱える魚の悩み
子どもの健やかな成長にとって、魚は欠かせない食材です。特に、脳の発達をサポートするDHAやEPAなど、体内で作ることができない必須栄養素も豊富に含まれており、積極的に食卓に取り入れてほしい食材の1つです。しかし、その一方で「うちの子、魚が苦手で…」「魚料理は何かと手間がかかる」といった悩みを抱えているママ・パパも少なくありません。
パサつきや魚独特の風味が苦手
魚の種類によっては加熱すると身がパサつきやすく、子どもにとっては口の中でまとまりにくく感じることがあります。また、魚特有の生臭さや風味を敏感に感じ取り、それが苦手意識につながることも少なくありません。特に幼児期は味覚が発達途上であり、わずかな苦みや臭みにも敏感に反応するため、魚を避けてしまうケースが多く見られます。
骨取りや調理の手間
魚の臭みを抑えるための下処理や、小さな骨が残っていないか心配で丁寧に取り除く作業は、忙しい日々の中では大きな負担となります。さらに、魚料理のレパートリーが少なく、献立がマンネリ化してしまうことも、「今日は魚はやめておこう」となりがちな理由の一つです。
魚だけ?子どもの脳を育むDHA・EPA

「魚を食べると頭が良くなる」と耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。その鍵を握るのが、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。DHAとEPAは、体に必要な「脂質」の一種で、「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれています。主に青魚(サバ、イワシ、マグロ、さんまなど)に豊富に含まれており、子どもの脳が大きく成長する上で、とても大切な働きをすると言われています。
DHAは「脳の主成分」
DHAは、お子様の脳の神経細胞を作る上で欠かせない大切な材料の一つです。特に脳がグングン発達する乳幼児期から小学生の頃にかけては、しっかり摂ることが重要だと言われています。DHAを摂ることで、お子様の「記憶力」や「学習能力」が向上したり、「集中力」が続いたり、発達にも良い影響があると言われています。
EPAは「血流をサポート」
EPAは、血液をサラサラにする働きがあり、脳へスムーズに血液が流れるのを助けてくれます。これにより、脳が元気に働くのをサポートし、情報がきちんと伝わるようにする役割があると考えられています。
DHAとEPAは、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」であるため、食事から積極的に摂取することが不可欠です。魚以外にも、一部のナッツや植物油に含まれるα-リノレン酸から体内でDHAやEPAに変換されることはありますが、効率は良くありません。そのため、魚はDHA・EPAを効率的に摂取する上で非常に優れた食材なのです。
幼児期の成長に欠かせない魚の栄養
幼児期は脳や体の発達が目覚ましい時期です。魚はDHAやEPAだけでなく、以下の栄養素も成長に欠かせません。
たんぱく質
魚は良質なたんぱく質の供給源です。たんぱく質は、子どもの筋肉や臓器、血液など、体を作るすべての細胞の材料となります。
カルシウム
丈夫な骨や歯を作るために不可欠な栄養素です。特に、骨ごと食べられる小魚類(しらす、煮干しなど)は、牛乳や乳製品に劣らない効率の良いカルシウム源となります。成長期の子どもにとって、カルシウムは骨密度の形成に直結するため、日々の食事での摂取が非常に重要です。
ビタミンD
ビタミンDは、食べたカルシウムがしっかり体に吸収されるのを助けて、丈夫な骨や歯を作るのに役立ちます。さらに、子どもの体が病気と戦う力をサポートします。
鉄分
貧血予防に重要なミネラルです。特に成長期の子どもは鉄分が不足しがちなので、魚からも積極的に摂りたい栄養素です。
幼児期の成長に欠かせない魚の栄養

パクパク食べる工夫は「パサつき」を解消すること。以下の方法があります。
脂の多い魚を選ぶ
鮭、サバ、ブリなどの脂質を多く含む魚は、加熱してもパサつきにくい特徴があります。これらの魚はDHA・EPAも豊富なので、一石二鳥です。
片栗粉でとろみをつける
魚を煮たり焼いたりする際に、片栗粉でとろみをつけることで、身がまとまりやすくなり、口の中でパサつくのを防ぎます。
油でコーティング
焼く前に薄く油を塗ったり、揚げ焼きにしたりすることで、魚の表面を油でコーティングし、水分が逃げるのを防ぎ、しっとりとした仕上がりになります。
魚の身に沿ってほぐす
調理後に、魚の繊維に沿って丁寧に身をほぐしてあげると、子どもが飲み込みやすくなります。
親の「手間」を減らすアイデア
「骨なし魚」の活用
骨取りの手間が省け、子どもも安心して食べられます。
しらすや桜えびなど、骨ごと食べられる小魚の活用
これらは細かく調理しやすい上、カルシウムを効率よく摂取できます。
缶詰(ツナやサバなど)の活用
すでに加熱済みでサラダや和え物、炊き込みご飯など、様々なアレンジが可能です。
1.5歳からの骨まで食べれる魚
これまでご紹介したように、お子様に魚を食べてもらうためには、食べやすさの工夫と、ママ・パパの負担を減らすアイデアが大切です。特に「骨なし魚を探すのも、調理するのもやっぱり大変…」と感じる方へ、そんな時におすすめなのが「ごろっとおさかな」です。この商品は、魚が苦手なお子様でも美味しく食べられ、準備の負担をぐっと軽減できるよう工夫されています。

- 骨までまるごと!魚の栄養を効率よく摂れる
- 骨までまるごと煮込まれているため、成長に欠かせない骨に多く含まれるカルシウムや、青魚に多いDHAやEPAも余すことなく効率的に摂取できます。
- 薄味で食べやすく、やわらかい
- 子ども用に塩分が控えめなのと、身が柔らかくほぐしやすいです。さば・ほっけ・さんまの3種があり、水煮と旨煮の2種類の味が展開されています。魚独特の臭みも抑えられているので、魚が苦手な子どもでも比較的受け入れやすいと思います。
- レトルトパウチで加熱不要!このまま食べられる
- 忙しい朝や疲れた夜でも、袋を開けてお皿に盛るだけで、あっという間に一品が完成します。もう「魚料理は時間がないから無理」と諦める必要はありません。ストックしておけば、急な献立変更にも柔軟に対応でき、ママ・パパの心強い味方になってくれます。

実際に食べてみましたが、小さいお子様でも骨ごと食べやすいですし、薄味なので味の調整をする必要もなくこのまま食べれました。身がごろっとしていますが、お箸で簡単にほぐせます。温め不要であっという間にメインのおかずが完成しました。
まとめ
子どもの成長に魚は欠かせませんが、魚嫌いや調理の手間は多くのママ・パパの悩みです。しかし、食べやすくする工夫や、手間を減らすアイディアを活用すれば、そのハードルはぐっと下がります。 そして、忙しい毎日をサポートする「ごろっとおさかな」も、手軽においしく魚料理を食卓に取り入れられる心強い存在です。 ぜひ、ご紹介した工夫とアイディアで魚をお子様の食事に取り入れ、健やかな成長と楽しい食事の時間を育んでください。
