トイトレというと何歳からのイメージがありますか?
今回は産後ケアのプロ 産後ドゥーラの鈴木早織先生に「0歳からできるトイトレ」の基本を教えていただきました。
- <目次>
- はじめに
- トイトレはなぜ大変?
- 0歳からできるトイトレとは?
- まとめ
はじめに
近年、おむつが外れる年齢が3歳、4歳、5歳…とどんどん上がってきており、なかなかおむつが外れない、トイトレがスムーズにいかないというお悩みが増えてきています。
多くの方が、トイトレは歩けるようになってから、ある程度お話が通じるようになってから始めようと考えるかもしれません。でも実際その時期になるとイヤイヤ期と重なり、何でもイヤイヤで思うように進まず、トイトレどころではなくなってしまうことも少なくありません。
トイトレはなぜ大変?
トイトレは「難しそう」「時間がかかりそう」と感じる方も多いでしょう。なぜトイトレは大変なのか、その理由をご説明します。
①本来の自然な排泄とは
赤ちゃんはいろんな力を持って生まれてきます。例えば、誰も教えなくても生まれてからすぐおっぱいを咥えようとしたり、ミルクを飲もうとしたり。それと同じように、自然な排泄をする感覚を持っています。赤ちゃんは裸で生まれ、本来は『お尻に何もついてない開放された状態で排泄すること』が自然な姿なのです。
おむつ替えをしようとおむつを開いたとたん、おしっこがピューっと飛んできた経験はありませんか?これは赤ちゃんが「おむつの中より、おむつの外で排泄したほうが気持ちいい」と感じている証拠であり、まさに『お尻に何もつけず開放された状態でする』という自然な排泄の表れなのです。
②習慣を変えるのは難しい
赤ちゃんは生まれてからすぐにおむつを付け、おむつの中で排泄する生活が始まります。せっかく自然な排泄の感覚を持って生まれてきても、おむつの中で排泄をし、汚れたら取り替えてもらうという経験を繰り返していくうちに『排泄=おむつの中』ということを学習していきます。
おしっこをすれば股の部分がむわ~っと生温かくなる。うんちをすればお尻の部分にべちょっと何かくっつく感覚がある。これに慣れてしまうと、本来持って生まれた自然な排泄をする感覚が少しずつ薄れていってしまいます。
2年、3年とおむつの中での排泄が完全に習慣化してしまってからトイトレを始めても『おむつがないとお尻がスースーして落ち着かない』『おむつの中でしか安心して排泄できない』という状態になり、結果としてトイトレが難しく大変になっていくのです。
一度身についた習慣を変えることは、とても難しいことです。大人でさえ「明日から排泄は全ておむつの中です」と言われたら、きっとすぐに対応できる人は少ないでしょう。赤ちゃんにとっても、それは同じなのです。
0歳からできるトイトレとは
では本当にトイトレは0歳から始められるのでしょうか。「そんなに小さいうちからトイレやおまるに座らせるなんて無理」「早すぎる!」と思うかもしれませんが、そんなに難しく考えなくても大丈夫。0歳からできるトイトレはとてもシンプルです。
『おむつの中の排泄を当たり前にしないこと、おむつの外で排泄するほうが気持ちいいと気づかせること』これが0歳からできるトイトレのポイントです。
赤ちゃんの排泄全てをトイレやおまるで成功させることが目的ではないので「早すぎる」と心配する必要はないですよ。
①赤ちゃんの排泄の仕草とタイミングを見つけよう
まずは赤ちゃんをよく観察すること。「いつもこのタイミングでおしっこしているな」とか「この動きをするとうんちが出ていることが多いな」とか、なんとなく赤ちゃんの排泄の仕草やタイミングがわかってきます。
例えば、寝起き、おっぱいやミルクを飲んだ後のタイミング、今まで体を動かしていたのに急にピタッと動きを止めたり、逆にソワソワ落ち着かなくなったり、抱っこしているときに急に体を反らせたりするなどです。赤ちゃんが10人いたら10通りのパターンがあります。ぜひ我が子オリジナルの仕草やタイミングを見つけてみてくださいね。
②おむつを外してみよう
排泄の仕草やタイミングがわかったら、そのときにおむつを外してみましょう。首が座っていない場合は、寝かせたままおむつを開くだけでもOK。
首が座り抱っこしやすくなったら、後ろから抱きかかえてトイレやおまるに連れていくことができます。毎回連れて行くのが大変なら、赤ちゃんのお世話をする場所の近くに100円ショップの洗面器やプラスチックの容器を置いておき、そこで排泄させるのもいいですね。
お風呂のついでにお風呂場でというのも、すぐに洗い流せるのでおすすめです。
ただ、排泄の仕草は個人差が大きく、成長とともに変化するのでわかりづらくなることもあります。そういった場合は、朝起きた時、出かける前、お風呂の時など、お世話する大人がやりやすいタイミングを決めておむつを外すようにすると、無理なく続けやすいですね。
大切なのは『おむつの中の排泄を当たり前にしないこと、おむつの外の排泄は気持ちいいと体感すること』です。毎回トイレやおまるに連れて行かなくても、おむつがない開放状態で排泄できれば場所はどこでも大丈夫。トイトレを始めるからと言って、急いで補助便座やおまるを買う必要はないですよ。
まとめ
おむつを付けていると、汚れたら取り替えるだけで済むので、赤ちゃんの排泄自体をあまり意識しないかもしれません。まずは気軽に余裕があるタイミングでおむつを外し、「おむつの外での排泄」を試してみましょう。赤ちゃんの排泄に意識を向け、気持ち良さそうな様子が観察できたら、0歳からのトイトレはもう半分成功したようなものです。
排泄の仕草を見つけ、おむつを外したタイミングで気持ちよくおしっこやうんちが出たら、赤ちゃんと気持ちが通じたようで、なんだか嬉しくなりますよね。
まずは赤ちゃんの気持ちの良い排泄のために、今日から1日1回、おむつを外してみることから始めてみてはいかかでしょうか。
筆者紹介
- 鈴木早織(保育士・産後ドゥーラ・べビケアセラピスト)
- 3人の男の子(うち2人は双子)の母。
育児と保育士の経験を活かしたいと、産後ドゥーラ、べビケアセラピストの資格、0歳からの自然なおむつ外しアドバイザーを取得。産後のママたちが社会から大切にされることが当たり前の社会になってほしいと願い活動している。
産後ケアの実践力を学ぶために、さら助産院で修行中。 - さら助産院HPはこちら