はじめに
新しい命が宿ったとき、家族が増えたという嬉しい気持ちになりますよね。
しかしその半面、これからの子育てにおいてどのくらいの費用がかかるのか、不安になってしまうことがあるかと思います。
それもそのはず、1人のお子さまが中学卒業までにかかるお金は1,900万円といわれています。現在は少子高齢化が進み、その対策として国や自治体などで給付金や補助金についての案内もあります。しかし、それが実際どのようなものか理解が難しいのも現状です。
そこで今回は、気軽に申請ができるお子さまや子育てに関する給付金・補助金を5つ厳選しました。ぜひ参考にしてみてください。
出産や育児の補助金
主に出産・育児に関する補助金は国からの助成が中心です。今回ご紹介する5つの制度は、すべて国からの助成です。その他にも自治体によっては様々な補助金や助成制度が設けられていますので、チェックしてみてください。
①児童手当
中学生までのお子さまを養育する親を対象とした全国一律の国の給付金制度です。手続きは居住する市区町村で行います。2024年10月以降、大幅に拡充されましたのでぜひ活用してくださいね。
●支給対象
高校卒業までのお子さま(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)を養育している方
●支給額
- 3歳未満:一律15,000円
- 3歳以上小学校卒業前:一律10,000円
- 中学生:一律10,000円
- 高校生:一律10,000円
- 第3子以降:0歳から高校生年代まで、全て月3万円まで支給
「第3子以降」の数え方も見直され、範囲が広がっています。上の子が22歳になる年度末(大学生以外も含む)まで、児童手当上で数える子どもの順番として換算されます。例)3人きょうだいのうち第1子・2子が高校を卒業したとしても、いずれも22歳未満なら、第3子の増額に限っては変わらず継続されます。(第1子・2子の児童手当は停止)
また、これまで、こども2人と配偶者の年収が103万円以下の場合で、主たる生計者の年収が960万円以上のケースなどは受給に制限がありましたが、所得にかかわらず全額支給となりました。
●支給時期
「2か月分年6回」に支給回数が増加され、活用の計画が立てやすくなりました。
●支給期間
お子さまの高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)
●申請時期
出生から15日以内(第1子、第2子以降変わらず)
また、以下の方については、児童手当を受給するためにお住まいの市区町村への申請が必要になります。
- 高校生年代の児童を養育している方(現在中学生以下の子を養育しており、児童手当を受給している方を除く。)
- 中学生以下の児童を養育しているが、所得上限限度額を超過し、児童手当も特例給付も受給していない方
- 児童の兄姉等(18歳に達する日以後の最初の3月31日を経過した後の22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあって親等に経済的負担のある子をいいます。以下同じ。)について監護に相当する世話等をし、その生計費を負担している方(「監護相当・生計費の負担についての確認書」等の提出が必要となります。)
- 施設等受給資格者である方でその委託等されている児童のうちに、高校生年代の児童がいる方
- 新たに施設入所等児童となる者がいる方(対象となる施設等は、児童手当法第3条第3項において定義されている施設のことをいいます。)
以上の方は2025年3月31日までに申請すれば、拡充分の児童手当を2024年10月分から受給することが可能です。申請の方法について、詳しくは「こども家庭庁 児童手当」及びお住まいの市区町村のHPをご覧ください。
②妊婦健康診査費用補助
妊婦検診費用を助成する制度です。妊娠の届け出を自治体の窓口に行った際、母子手帳などと一緒に妊婦健診を受けられる補助券をもらいます。この補助券を病院の窓口に提出した際、妊婦検診の費用から助成額が引かれるという仕組みです。
●支給対象
妊娠をし、窓口に申請をした方
●支給額
検診費用14回分(通常約14回病院に通い妊婦検診を受けます。)
※各自治体によって異なる
●支給時期
母子手帳をお渡しする際
(補助券として渡されます)
③出産手当金
出産手当金とは、出産のため仕事を休み給料がもらえなかった期間の生活保障の意味で支給される手当です。
●支給対象
下記3つの要件すべてを満たした方
- 勤務先の健康保険に加入していること(被保険者であること)
- 妊娠4ヵ月(85日)以降に出産された方(早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれます。)
- 出産のために休業している方
●支給額
出産手当金は、支給開始日より前の「標準報酬月額」をベースにして決められています。標準報酬月額は、従業員の社会保険料算出時の基本になる金額のことをいいます。また、被保険者期間によっても変動します。
●支給時期
一般的に、申請手続き後1ヶ月程度で支給
●支給対象期間
ご出産の予定日を含む、ご出産日までの42日間(双子など多胎妊娠なら98日間)から、ご出産日の翌日以降56日目まで
※支給の対象は産休を取得した期間のみです。
●申請時期
産休開始の翌日から2日間
④出産育児一時金
出産育児一時金とは、被保険者及びその被扶養者がご出産された時に申請することで、既定の給付額が支給されます。お子さまを複数名ご出産された場合は、その人数分支給されます。(双子なら2倍)
●支給対象
- 妊娠4か月(85日)以上で出産をした被保険者
- 上記のご家族(被扶養者)
早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれます。)
●支給額
ご出産までの週数、ご出産日に応じて支給額が変わります。
令和5年4月1日以降の出産の場合:
産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合
1児につき50万円
産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合、
産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週未満に出産した場合
1児につき48.8万円
※産科医療補償制度は医療機関等が加入します。加入医療機関で制度対象となるご出産をされ、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合、お子さまとご家族の経済的負担を補償する制度です。
●支給時期
一般的に出産から約2~3ヶ月後に支給
●申請時期
出産予定日の2か月前から(出産翌日から2か月後に時効)
●申請先
- 直接支払制度の申請 出産予定の医療機関
- 受取代理制度の申請 加入する健康保険組合
- 制度を利用せず直接申請 加入する健康保険組合
⑤幼児教育・保育の無償化
2019年から、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子どもたちと、 住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子どもたちを対象に、利用料が無料になる制度が開始されました。
●無償対象
- 幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたち
- 0歳から2歳までの子どもたちについては、住民税非課税世帯を対象
- 預かり保育・認可外保育施設等(お住いの市町村から「保育の必要性の認定」を受けた方)
●無償期間
a.)満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間
※幼稚園については入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。
※年収360万円未満相当世帯の子供たちと全ての世帯の第3子以降の子供たちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。
●無償金額
a.)b.)
利用料の無償
※幼稚園については月額上限2.57万円
c.)
- 預かり保育:幼稚園の利用に加え、月内の預かり保育利用日数に450円を乗じた額と、預かり保育の利用料を比較し、小さい方が月額1.13万円まで無償
- 認可外保育施設:3歳から5歳までの子供たちは月額3.7万円まで、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供たちは月額4.2万円までの利用料が無償
これらの制度は、国が定めている制度ですが、自治体ごとに申請の必要性や申請の期限、助成金額などが異なります。申請の際には各自治体のWEBサイトなどで確認してから申請しましょう。
●申請先
通園している幼稚園から申請書類が配布され、幼稚園を経由して市町村に申請
自治体ごとの補助金
その他、自治体独自で以下のような補助金があります。
ぜひこの記事を読み終わった後に、ご自身のお住まいの自治体にある制度について調べてみましょう。
- ・東京都:「東京都出産支援事業」
- 専用のWEBサイトから申し込みをすると、妊娠時は国の「出産応援ギフト」5万円分、出産後は国の「子育て応援ギフト」5万円分に都独自で5万円を上乗せした、10万円相当の育児用品や子育て支援サービスなどを提供される制度です。
対象:2023年4月より後に出産し、都内にお子さまを含む住民登録がある世帯
- ・千葉県(旭市):「2歳未満まで乳幼児紙おむつ購入券支給」
- 月額 3,000円分の紙おむつ購入券を支給しています。この 「乳幼児紙おむつ購入券」は旭市独自で行っています。市内の指定取扱店にて紙おむつを購入する際、代金の一部として利用できます。
対象:0歳児~1歳児のお子さまをお持ちの方
さいごに
いかがでしたか?補助金について知っておくと、日々の生活が楽になり、少し余裕を持って毎日を過ごすことができますね。申請が必要なもの、そうではないものがあるため、ご自身の状態や家族構成にあった補助金を探して申請してみましょう。